AITCニュースレター

第12号 - 2017年1月

更なる活動の充実を目指して
~成果発表会&第七回総会開催報告

明けましておめでとうございます。AITC のイメージキャラクター『ハルミン』です。活動の一層の充実と進展を祈りつつ、設立7年目の新年を迎えました。 AITCは、これからますます先端ITにワクワクできる活動展開を目指してまいります。今年もよろしくお願いいたします。

この新年号では、AITC第6期の活動の締めくくりとして2016年9月16日に開催された「成果発表会」と10月14日に行われた「第七回総会」の模様をお伝えします。 先ずは、「第七回総会」について簡単に、そして「成果発表会」について内容はもとより準備から開催に至るまで詳しくご報告いたします。

第七回総会 ~IoT、機械学習、深層学習で
盛り上がった第6期からバトンは第7期へ!

「成果発表会」から一ヶ月後の2016年10月14日に開催された「第七回総会」では、 会期末(2021年8月31日)を見据えた活動・運営方針と第7期の活動計画が提案され、全会一致で承認されました。

これからの5年間で目指すこと

先ず第一に! 従来にも増して、先端IT(特に新しい技術領域)にワクワクしながらチャレンジできる場を提供し、 先端ITに明るい技術者の育成に努め、IT業界とITが支える産業界と日本社会の発展に貢献することを目指します。 そして、会員主体の活動とオープンな活動(非会員も参加可能)の間でノウハウの交換を行うなど共生を図りつつ、 個人の力を企業に注入することで産業界と日本社会の発展に貢献することを目指します。

今期の重点施策

これまでの活動や運営方針を見直す中で、会員企業への活動のフィードバックのあり方や活動の更なる活性化などの課題が浮かびあがりました。 課題の改善に努め、更なる活動の進化と深化のために下記の点には特に注力していきます。

先ず第一に!新しい技術領域、特に企業が注目する新しい技術へ取り組みを強化します。 具体的には、引き続きIoTや機械学習・深層学習に取り組むとともに、セキュリティ、ブロックチェーン、ロボットなどへの取り組みを始める計画です。 また、これからの技術として注目されるテーマについては、独学より効率的にスキルを習得できるよう「勉強会」形式でタイムリーに取り上げていく計画です。

併せて、コンソーシアム活動に参加する大きなメリットである「企業の枠を超えた技術と人の交流」をもっとディープに、もっと多様な方々との交流が実現するよう、更には先端IT人材間のネットワークが、皆様のパワーアップに役立てていただけるよう注力してまいります。

そして、今期も有用な情報や知見を配信することで技術者の裾野を拡大し、実証実験を通じて先端ITの活用例を提案し、更なる社会貢献を目指します。

詳細はAITCのサイトに掲載しています。是非、ご参照ください。

第七回総会議案書

AITCの概要

第7期活動計画

総会記念講演

今回は、弁護士の高橋郁夫先生にご登壇いただき、「AIとサイバーフィジカルシステムの進化と社会 -SF映画を題材に-」というタイトルで、 近未来を扱った映画やTVドラマをサンプルに、ITの進化とそこで起きうる課題について、法律の専門家としての視点からお話いただきました。 例えば、車の自動運転については、昔の『ナイトライダー』というTVドラマでは主人公が指示しなくても人工知能を搭載した車が勝手に動いてくれますが、 その行為が法律家の目にはどう映るのか、そして実際の法律ではどう定義されているかなど、新しい技術に対する検討状況について解説していただきました。 特にIoTや人工知能では、モニタの外側に対して直接的に影響を与えるものが多く、しかも人間が介在しませんので、 事故が起こった時の責任の所在などの新しい課題が出てくるし、法的な決着は個々の事例によって異なるとのことです。 「最終的には『2001年宇宙の旅』(1968年公開)の最後のシーンにたどり着くはずだ」という壮大なメッセージで講演を締め括られました。 身近かになったAI活用だけに、喫緊の課題と対応を示唆いただいたご講演でした。

講演資料

AITC活動へのお誘い

新しい年度がスタートした今は、新たに活動に参加される絶好のチャンスです。 まだご参加になっておられない方、試しに活動の現場を覗きにいらしてください。 AITCの第7期の活動にご注目いただき、更なる飛躍を目指してご一緒に活動してくださることを楽しみにしております。

第6期(2015年度)AITC成果発表会

毎年新年度(AITCは9月が年度初め)開始にあたり、各部会が前年度一年間の活動成果をまとめた「成果発表会」を開催しています。 今年は9月16日(金)午後 リコーITソリューションズ(株)の大会議室をお借りして、5部会+オープン活動の発表に加え、気象庁の特別講演を行いました。 なお、成果発表会の詳細は、AITCサイトに公開されている発表資料と YouTubeをご覧ください。

企画は半年前から

「成果発表会」はAITCにおいて重要な活動のひとつです。 企画は半年ほど前から始まり、運営委員会で各部会リーダーと企画、日程・場所、当日のタイムテーブルなど、 活動にふさわしい場所・形式を決めていきます。今回は講演形式で午後半日でしたが、展示コーナーやデモがあったり、 複数日で場所を移しながら開催したこともあります。

併せて、今旬の話題であり、会員の関心が高く、AITCの活動にマッチした特別講演の準備も平行して行われます。 部会メンバーからの要望やセミナーなどのアンケートからテーマを決め、人選をして講演依頼の交渉を行います。

各部会リーダーなど発表者は部会メンバーと協力し、成果をまとめ、発表資料を作り、 「成果発表会」終了後はそれを公開できるよう整えていきます。 大変な労力をかけて作成した発表資料は、会員アンケートでも高く評価されています。

「空気を読む家」は次の段階へ

2015年夏から本格始動した協働プロジェクト「空気を読む家」は、 三段跳びで言えば”ステップ”の段階で、定義づけや方向決め、 開発の初期段階から具体的な生活での各種センサーによるデータの取得/分析(寝室での睡眠データ)に入りました。 大黒柱となる空間OSの仕様検討も進んでいます。

協働プロジェクトは開始から終結するまで数年かかるため、新技術の発現やビジネスの移り変わりによって対応していくことが難しくもあり、 それらを取り入れてダイナミックに変化していくことが面白かったりします。 また、メンバーが新たに加わったり、スキルアップすることによって化学反応をおこし、プロジェクト自体が発酵していくことが醍醐味と言えます。

今回の発表では、各種センサーから収集した時系列データをパターン化/相関モデル化して、 環境や行動へのフィードバックに活用できるところまでの成果が発表されました。 今後は家にいる人の感情やメンタル面が満足する文字通り『空気を読む家』への昇華に取り組むとの意気込みが示されました。

2015年度の部会活動の特長はスキルアップ

各部会はその年度の活動の重点を総会で承認されたのち、それぞれが工夫した手法で月1回の部会活動を進めていきます。 理論・実践・応用にバランス良く取り組む部会もあれば、いずれかに特化して成果を求めようとする部会もあります。

2015年度の部会活動では、メンバーのレベルアップのための活動が顕著でした。 中でも輪読はスキルアップに最適で、二部会で行われました。各部会の取り組む技術分野を広く深く分析・研究していくには、 アーキテクチャー/開発プロセス検討、アイデアソン、ワークショップ、そして実際に物を作ったり、プログラム開発をしたり、 ハンズオン、企業訪問、外部講師のセミナーなどなど、これらは実際にAITCの部会活動で行われました。 先日行われたアンケートでも、AITCに参加して期待することに「自分自身、部下や社内の人の知識・スキルの向上を図りたい」が上位にあります。 それに応えた活動で大きな成果があったと言えます。

オープンラボは、部会で培われたスキルと知見を会員外にも伝播することで社会貢献していく活動で、 深層学習、機械学習、IoT、ブロックチェーンなど旬な話題を、勉強会やハンズオン、 技術セミナーなど様々な形式で開催しました。合計9回、のべ646名が参加し、アンケートで90%以上が内容に満足したと回答しています。

AITC女子会はIoT試作とデータ分析で10回、男性技術者も参加し、のべ139名で開催、 シニア技術者勉強会は、若手技術者も参加してIoTと最新Web開発技術の習得をテーマに、8回のべ112名で開催されました。 IoTではそれぞれ「ならでは」の切り口で試作品を持ち寄り、合同発表会を行うなど相互の交流も盛んでした。 こちらも参加者の満足度が高く、質の高い活動となりました。

特別講演 気象庁での機械学習実践例はすごい

今回の成果発表会を企画しているところに、特別会員である気象庁では機械学習に前々から取り組んでいるとの情報が入りました。 そこで早速訪問して、特別講演を依頼、快くお引き受けいただきました。 気象庁とはAITCの前身であるXMLコンソーシアム時代に気象庁XMLの作成に協力し、 AITCでは気象庁XML用のAPIを作成、公開するなどの歴史と実績があります。

『気象庁における機械学習の利用』と題して、実践例を中心に講演されましたが、 やはり実務で磨かれたノウハウは素晴らしく、気象観測された膨大な数値データを 天気予報や防災に必要な情報(予報ガイダンス)に翻訳/作成していくために機械学習を20年以上利用してきた種々の経験をご披露くださいました。

様々な機械学習を利用(ニューラルネット、カルマンフィルター、ロジスティック回帰、線形重回帰・・・)しているが、 先行者としての苦労もあるとのことですが、今後は、より精度の高い予報のためディープラーニングも適用し、継続して改良していかれるそうです。

更なる成果を求めて

来年も9月に「成果発表会」を開催する予定です。 「空気を読む家」は試行錯誤を繰り返しながら、思いがけない方向に進展しているかもしれません。 部会活動も研究領域がより深く広くなっていることでしょうし、新しいメンバーが増えていることと思います。 ぜひ、発表を聞く立場から発表する立場で参加されてはいかがでしょうか。間違いなくスキルアップできることをお約束します。

【第6回(2015年度)AITC成果発表会講演資料】
下記に当日の講演資料がまとめて公開されています。
http://aitc.jp/events/

当日の模様はYouTubeでご覧いただけます。
http://aitc.jp/
(左側メニューの「YouTube配信」をクリックして、「2016/09/16第6回活動成果発表会」をご覧下さい)