コンテキスト・コンピューティング(CC)研究部会
背景
物事は、人の認知の仕方によって異なった価値や意味を持つ。 その価値や意味の違いは、対象とする物事と関連する物事の関係性の違い、つまり"コンテキスト"の違いに現れたりする。 ITを使って人がこのようなコンテキストを自由に扱えるようになったら、人々のコミュニケーションが深まったり、人々が協同し活動する成果がもっと豊かになったりするのではないか。 そんな思いでコンテキストをコンピュートする研究を行う。 この研究活動において、コンテキスト・コンピューティングとは関係性をデータとして記録し、活用する情報処理である。
活動目的
近未来の情報社会をビジョンとして描き、コンテキスト・コンピューティングにより個人と社会のインテリジェンス(Social Intelligence)が階層的に連動する情報基盤を提言する。
活動内容
- コンテキスト・コンピューティングにより実現するビジョン「人と機械(コンピュータ)の協働による"情報の個人化"、"社会知の形成"」の検討
- 2020年のITシステムにおけるSocialIntelligenceの姿と実現方法の構想
- コンテキスト・コンピューティングを実現するための基盤となるプラットフォームの作成
- コンテキスト・コンピューティングの社会・ビジネスにおける応用例の提案
- コンテキスト・コンピューティング先行研究・関連研究の調査、計算アルゴリズムの検証
- コンテキスト・コンピューティングの具体化のための技術要素の調査・試用
活動計画
これまでの研究活動で構想したビジョン「人と機械の協働による社会知形成」に向けて、理論と実践、応用の三つの面からの研究を平行して進める。 今期は、前期に集中的に議論した「信頼」に関して成果としてまとめていく。 また、単なる自動化とは異なる「人と機械が協働する世界」を描き、そのメカニズムに関して議論する。 さらに、短期間で実現できるちょっと気の利いた、ビジョンに基づくサービスについて考察をすすめる。
- 理論) グラフ理論を中心としたアルゴリズムや手法、関連研究に関する輪読・輪講
- 実践) 構造化コンテンツを活用するための技術・実装の調査・試用
- 応用) 「空気を読む家」におけるコンテキスト・コンピューティングの活用シナリオの検討、人と機械の協働によるちょっと気の利いたサービスの検討
活動成果
- 「人と機械の協働による社会知形成」実現に向けたコンテキスト・コンピューティング研究状況報告、および近未来の情報社会における情報基盤としての社会知の活用に関する提言書
- 講演等各種外部発信資料、月例会議事録及び参考資料
活動方法
- 月次ミーティングでのディスカッション
- SNSを使ったオンラインでのディスカッション
- 顧問、有識者との意見交換
体制 (敬称略)
- リーダー
- 道村 唯夫(富士ゼロックス株式会社)
- リーダー補佐
- 牧野 友紀(日本ユニシス株式会社)
- サブリーダー
- 小林 茂(個人会員)
- 高岡 大介(ピースミール・テクノロジー株式会社)
- 顧問
- 和泉 憲明(経済産業省商務情報政策局情報産業課・企画官)