第11期(2020年度)の活動計画
第11期の重点施策
2010年9月に設立した本会活動は11期目に入り、今期末(2021年8月末日)をもって会期終了を迎えることとなる。
折しも新型コロナを契機に大きな技術変革の時期にある今、この変化と向き合い、対応していくことが重要と考える。 Withコロナ時代のニューノーマルを支える先端IT活用の発信に努める。 デジタルトランスフォーメーション(DX)※に関する情報発信に加えて議論を始めることで、ICT(先端ITを含む)の利活用による企業の社会的価値の創出へ貢献することを目指す。 また、11年間の活動で得られた経験や知識を体系的に整理・総括する成果物に加え、各活動を横断的に統合し、AITCの集大成とすることに取り組む。 更に、社会貢献の一環として、非会員も参加可能なオープン活動を充実させ、参加者の裾野を広げることで、先端ITに明るい技術者育成・拡大に注力する。
※経済産業省のデジタルトランスフォーメーション定義: 企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
1) 新しい技術領域、特に企業がこれからの技術として注目する新しい技術への取り組みを継続
本会では、IoT、AI、量子コンピューティング、ブロックチェーンなど注目度の高い技術にいち早く取り組み、会の内外から高く評価されてきた。 会期終了時まで、この取り組みを堅持し、企業がこれからの技術として特に注目する新しい技術に積極的に取り組み、新しい技術領域を学び、調査・研究・検証するための活動に注力し、会員企業はもとより広く会の内外に向けてスキルとノウハウの伝播を行うことを目指す。
- 企画者と知見を持つ人の連携を密に行い、知見を有する外部講師によるセミナーを開催、知見者との交流を図る
- 「勉強会」活動を継続し、参加者が共に学び、助け合いながら疑問を解くことで、その分野のスキル・ノウハウを有する技術者、とりわけ後続の技術者達に技術を広めていけるリーダー的技術者の育成に励む
- 協働プロジェクトに新しい技術を適用、検証するなど試験的な取り組みを行い、得られたスキルと知見を会員内外に発信する
- Withコロナ時代のニューノーマルを支える先端IT活用、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関する情報発信や議論等に取り組み、ICT(先端ITを包含)の利活用による企業の社会的価値の創出へ貢献することを目指す
2) 会期末(2021年8月末日)に向け、AITC活動の集大成に取り組む
- 設立以来11年間の活動の総括を目指し、各部会の活動については成果発表会やセミナーの発表資料、学会への投稿論文、活用提案や提言書、ノウハウ集など参照性の高い資料としてまとめ、AITC活動の総括として公開する
- 協働プロジェクト「空気を読む家」でのシナリオ作りやデモ開発を通して得た知見を総括する文書化を行い、成果として公開する
3) 先端ITに関する情報と知見の発信、活動の更なるオープン化で社会貢献に注力
- 社会貢献に注力
設立以来、先端ITへの取り組みと調査・研究の成果を広く世に公開することにより、先端ITの普及を促進し、社会に寄与することを目指してきた。 今期は会員限定勉強会をオープン化し、技術者の裾野を拡大し、更なる社会貢献を目指す - 活動の成果をタイムリーに発信
部会に蓄積されたスキル・ノウハウや研究成果を、「Webセミナー/オープンラボ」や「成果発表会」で纏めて発信することで、技術者の裾野の拡大を図り、先端IT活用推進に貢献する - Webセミナーやオープンラボ、成果発表会等の資料を、広く一般公開し、鮮度良くリアルタイム性の高い情報を外部発信することで、先端ITの活用推進に寄与する。資料の公開には、引き続き、外部サービスも併用し、より多くの利用者からフィードバックを受けられるようにする
4) 活動終了後に向けた環境整備に注力
- 会期終了後、これまでAITCから発信、公開された資料を検索し易く、利用し易い形にWebサイトを再整備し、現行の情報基盤を以後7年間は保持する仕組みを整える
- これまで培った人的交流が維持できるよう、SNSはじめ現在のネットワーク環境を保持する
活動対象分野
本会では、これからのビジネスや社会基盤を支えるであろう先端ITを取り上げ、新しいIT活用を拓くことを目指し活動している。 部会活動を中心に、ユーザーインターフェースからデータ/情報、アプリケーション、そしてシステム基盤関連まで幅広い技術分野をカバーするとともに、注目度の高い新しい技術領域(IoT、セキュリティ、機械学習/深層学習/強化学習、量子コンピューティングなど)に取り組んでいる。 会員はいずれの活動にも好きなだけ参加できるため、活動への関与の仕方次第で、幅広いスキルやノウハウ、情報や知見を得る機会を得て、同時に多様な人との交流も可能になる。
【新しい技術領域への取り組みについて】
第5期(2014年度)はIoT、第6期(2015年度)は機械学習にフォーカスした活動で注目を集め、第7期から第8期においては、引き続きIoTや機械学習・深層学習・強化学習に取り組むとともに、ブロックチェーンやロボットに取り組み、第9期は量子コンピューティングシリーズを開催するなど、先進的な取り組みが大いに注目、評価された。
今期(第11期)も、これから新たに登場するテクノロジーにも注目し、会期末まで挑戦していく。
なお、上記以外の新しい技術領域に関しては、次の方法をもって会員からの要望を収集し、活動の立ち上げや旬の情報提供に努める。
- 各種アンケート(会員アンケート、AITC技術セミナー、AITCオープンラボ等)
- AITC会員専用「わいがや会議室」での要望入手やヒアリング
- 運営委員会によるセミナー企画、開催
- 新しい活動の立ち上げ:会員が提案し所定の手続きを経て活動を立ち上げる。
会員規約 第40条(勉強会)
3 勉強会は、会員が提案し、理事会への報告をもって活動を開始する。
会員規約 第41条(部会)
3 部会は、会員が部会新設を提案し、理事会の議決を得て、設ける。
活動の種類と関係性
会員主体の活動とオープンな活動の2系列で構成し、それぞれの特質を活かしながら活動し、適宜、相互に連携することでより密度の濃い活動になることが期待される。 今期における会員主体の活動とオープンな活動それぞれの構成は以下の通りとする。
但し、今期はAITC最後の一年となるため、従来、会員限定で実施した「勉強会」をオープン化することで先端ITのスキルを有する技術者を育成する場を広く提供し、社会貢献活動の強化を目指す。
会員主体の活動
先端ITに明るい技術者を育成し、スキル・ノウハウを会員企業へフィードバックする活動を行う場- セミナー(部会のシーズ)
最新情報を入手する場
内外著名人による講演、交流の場- 勉強会や部会のシーズとなる先端IT
- 旬の話題、関心の高いトピック
- 製品・サービスの紹介
セミナーでは、部会や勉強会のシーズとなる先端ITを取り上げ、内外著名人による講演を通じて、最新情報を入手する場を提供する。
会員は希望するセミナーに、いつでも、いくつでも参加することできる。 - 勉強会(第11期:社会貢献の一環としてオープン化)
特定の先端ITを学び、試しに使ってみる場- 部会のシーズとなる先端IT
- 企業が注目している新しい技術領域
勉強会は、特定の先端ITを短期集中(3ヶ月〜6ヶ月程度)で学習する場。
先端ITの動向を見ながら、また、会員の希望に副わせながら、旬のテーマを取り上げていく。
勉強会は目標達成をもって活動を終了するか、部会の活動にするか、勉強会後の活動形態を選べる。
会員は希望する勉強会に、いつでも、いくつでも、参加することができる。 - 部会
スキルを身につけ、ノウハウを共有する場- 特定の先端ITを取り上げ調査し、試用に基づき評価し、可能性のアセスをし、知見の共有をし、報告書の作成を目指す。
部会では、特定の先端ITを対象に、参加メンバーが活動期間、目標、活動の成果、具体的な活動内容や方法を定める。
定期的な活動を通して、また、すでに知見を有するメンバーとの交流を通して、参加者は特定の先端ITに関し知識とスキルを深め、ノウハウを共有することが可能となり、加えて、人的ネットワークを培うことができる。
会員は希望する部会に、いつでも、いくつでも、参加することができる。 - 協働プロジェクト
部会間/外部団体との連携で研究を行う場- 先端ITを使った実証実験、報告書/提言書の作成
- 実証実験ではシナリオ作成、シナリオ設計、実装を行う
協働プロジェクトは、特定の目標(特定テーマによる実証実験、報告書/提言書等の作成)のために、一定期間、複数部会が合同で、あるいは、外部組織・団体と連携し活動する。
実証実験の目的は、部会活動で得た仮説を検証することであり、外部との連携により、ユーザー視点での取り組み、データの提供、現場の助言等を受けられる利点がある。
先端ITの活用例を提示することで、活用推進の一翼を担い、成果物をもって協働プロジェクトで得た知見を社会に還元することを目指す。
会員は協働プロジェクトに参加することができる。 - 成果発表会等
実活動に基づく情報と知見を共有する場- 部会や協働プロジェクトの活動内容や成果を会員内外に発表する
上記の発表会に加えて、他団体との共催あるいは他の団体が主催する場での発表を通して、知見を社会に還元し、先端ITの活用推進を目指す。
オープンな活動
非会員も参加可能な先端ITの普及・啓発、活用推進の場、部会活動で得たノウハウを伝播する場より自由に、旬の技術領域に挑戦、実践する場
- AITCオープンラボ
部会とノウハウを相互に伝播する場- 部会に参加出来ない会員への参加機会の提供
- 会員内外を問わず技術情報・ノウハウを発信し、先端ITの普及・啓発に寄与
- 技術者の裾野を広げ、活用推進への足掛かりとしての知見を社会に還元
AITCオープンラボでは、部会の活動内容・成果を基に、勉強会や他団体との交流イベントを開催する。 部会に参加されていない会員も部会の活動内容を知ることができ、部会活動で培った知見、ノウハウを得ることが可能になる。 部会側はオープンラボの挑戦、実践の結果のノウハウを受けることで、活動の進化・深化に役立てることができる。
イベントは多様な形態を構想しており、「セミナー」「ハンズオン」「わいがや・オフライン」「会社見学」「他団体との交流」など、取り扱うテーマに合わせた形態でのイベント開催を目指す。 - シニアプログラム(通称:シニア技術者勉強会)
シニア技術者と若手技術者が交流する場- シニア技術者に先端ITを学ぶ場を提供する
- シニア技術者の培ってきた知見・経験を若手の技術者に伝承する
- IT女子プログラム(通称:AITC女子会)
「人・技術・知見との出会い」でIT女子の活躍を支援する場- 女性技術者に先端ITを学ぶ場を提供し、活躍の場が広がることを支援する
- オープンな場での活動を通じてAITCを知ってもらい、AITCの活動への女性の参加と活躍を促進する
活動の期待効果
先端ITの活用推進、知見・ノウハウの社会還元を実現するための要素に対して、活動を通して下記のような直接的、間接的な効果を想定する。
体制図
年間主要活動計画
- (年次)
- 2020年10月9日 理事会、第11回総会、総会記念講演、懇親会(オンライン開催)
- 2021年10月(予定) 理事会、最終総会、総会記念講演、懇親会(外部会場予定)
- (月次)
- 運営委員会、部会リーダー会
- 協働プロジェクト立案・推進会議
- 部会
- 勉強会(今期は非会員も参加可能なオープン活動として開催)
- シニア技術者勉強会
- AITC女子会
- (随時)
- 合同部会
- SNSコミュニティによる部会や協働プロジェクト活動
- 成果発表会
- AITC Webセミナー(従来の技術セミナー&オープンラボ)
- Webサイト更新作業
- AITC内あるいは他団体との交流会、情報交換会
- 取材協力
- 外部主催の催事に対する出展、協力
注記:新型コロナの状況と活動内容を考慮し、オンライン開催と集合スタイルを適宜選択し実施する。