第4期(2013年度)の活動計画

次期活動の構想にあたって

設立時には2013年8月31日までと会期を設定し、活動を開始した本会であるが、会期終了を1年後に控えた昨年の第3回総会において、「設立以来の技術の研鑽と蓄積をベースに先端ITの利活用を推進し、本会の目的を達成するために2016年8月31日まで会期を延長する」ことが全会一致で承認された。

これを受け、次期検討委員会(運営委員会の下部組織)を中心に、先端ITの利活用推進を目指す新しい段階に向けての本会活動のあり方を構想し、いくつかの試行を実施してきた。

次期検討委員会では、本会の特性は主構成員が企業会員であり、所謂コミュニティ活動との差別化は企業会員主体の活動にあることを再確認し、次期構想の検討を行った。

結果、先端ITの技術者育成を図りつつ同時に先端ITの活用を推進すること、また、AITCで培われたノウハウを社会へ還元していくことを次期活動構想とし、その実現を目指し場の再定義と再編を提案することとした。

次期活動構想

先端ITに何度でもトライ出来る「場」を提供し、先端ITに対するより深い知見の獲得・発信することをコンセプトとし、AITCの活動を発展・活性化する事を目指す。

先端ITの研究から、活用推進へと発展
従来からの先端ITに対する研究を継続し、研究成果を踏まえて実社会での具体的な先端ITの活用方法の提案、および活用推進の活動を実施する。
研究対象とした先端ITの中核を担うノウハウを社会に還元
先端ITを活用するための普遍的な知見(理論、技術)を整理し、社会へ発信し還元する。 また企業が提供する固有のサービスのベースとしてAITCが発信するノウハウの活用を推進する。
社会に認められる先端ITのプロフェッショナル集団へ
先端IT分野に対する研究成果を纏め、社会へ発信する。有用な情報を発信していくことにより、先端ITに対する知見を有するメンバーが集まる場としての地位を確立する。

第4期の重点施策

以下に示す重点施策の遂行により、AITCの活動をより一層活性化し、次期活動構想の実現を目指すが、今後下記以外にも有効な施策があれば、適宜実施するものとする。

活動の進化と深化による会員内外への活動成果フィードバックの強化
研究成果を文書にまとめ公開・流布
部会活動では各分野に特化した実践的な技術検証や研究テーマに対する協議、協働プロジェクトでは実証実験を重ねてきた。 部会活動・協働プロジェクトの進化・深化に伴いこれまでに培ってきた研究成果を纏め、流布することを目指す。 広く世に公開することにより、先端ITの活用に寄与すると同時に、社会的認知度の向上を目指す。 また有用な情報を発信していくことにより、先端ITに対する知見を有するメンバーが集まる場としての地位を確立する。
「AITCオープンラボ」で活動成果を伝播
部会活動の進化・深化に伴い、スキル・ノウハウの蓄積が進んでいるが、一方では、部会活動に参加出来ていない会員も多く存在している。 次期活動構想で掲げているAITC活動の発展・活性化を実現するべく、今後は部会に蓄積されたスキル・ノウハウ、部会活動の一端を会員内外に発信強化するため、定期的に「AITCオープンラボ」を開催する。 AITCオープンラボにより、AITC活動に参加出来ていない会員への参加機会を提供するとともに、AITCオープンラボからのフィードバックにより、AITC活動のコアである部会の活性化を目指す。 AITCオープンラボは、次期活動構想に掲げる先端ITの活用推進への足掛かりとして裾野を広げる場であり、同時に知見・ノウハウの社会還元を目指す場として位置づける。
情報公開、活動のオープン化
セミナー等の資料公開について、AITCの発信する情報のオープン化を踏まえ、従来の半年間の会員限定公開後の一般公開から、即日、一般公開することを基本方針とする。 これにより鮮度の良い、リアルタイム性の高い情報を外部に発信することで先端IT技術の活用推進に寄与する。
イベント告知や決済手段をオープンな外部サービス(FacebookやPeaTixなど)を活用することにより、イベントの認知度向上、参加障壁の引き下げを図る。
ロゴデザインの再設定
次期活動構想により、新会期におけるAITCの活動をより発展・活性化することを明示するために、ロゴのデザインについても再設定する。 常に先端ITを追求する上昇感、活用推進を活性化させる躍動感を表現するデザインに変更し、次期活動構想のシンボルとして位置づける。
  1. 現在のロゴ
  2. 変更後のロゴ
上昇感、躍動感を右上がりで表現し、先端をより尖らせた表現に変更。 変更後のロゴではフラットデザインを採用。
若手技術者のより一層の育成
日本の産業を活性化していくには若い世代の台頭が不可欠である。 今後、先端IT活用の牽引役を担うであろう若手技術者にとってAITCの持つ知見や人脈は研鑽の一助になると考えられる。 今期は、AITCの活動を通じて交流を図り、育成のあり方を模索しながら、日本のIT産業の活性化へ如何に寄与できるか、あるいはAITCの有する知見を如何に社会へ還元できるか試行する。
AITCオープンラボへの参加を通じて、新しい技術に対する知見の獲得、技術者の保有するスキル・ノウハウの発表、意見交換等による研鑽の場の提供を行うことにより、若手技術者の成長に寄与することを目指す。

活動の種類と関係性
〜次期構想実現のための「場の再定義と再編」を目指して〜

重点施策で掲げた「AITCオープンラボ」を活動に組み込み、既存の活動を含めて場の再定義と再編を行い、従来にも増して、部会をAITCのコアに位置付け、部会を活性化することによってAITC活動の進化・深化を図る。

活動の種類と関係性を以下に示す。

  1. セミナー・勉強会
    最新情報を入手する場
    内外著名人による講演、交流の場
    特定の先端ITに関して、参考文書を読み、試しに使ってみる場
    • 部会のシーズとなる先端IT
    • 旬の話題、関心の高いトピック
    • 製品・サービスの紹介

    セミナーでは、部会や勉強会のシーズとなる先端ITを取り上げ、内外著名人による講演を通じて、最新情報を入手する場を提供する。
    また勉強会では、早いスピードで次から次へと新技術が誕生する分野であることを意識し、特定の先端ITを短期集中(3ヶ月程度)で学習する。 先端ITの動向を見ながら、そして会員の希望に副わせながら、旬のテーマを取り上げていく予定であり、人気の高い先端ITに関しては、適宜、勉強会を繰り返すことも計画する。
    会員は希望する勉強会に何度でも参加することができる。

  2. 部会
    スキルを身につけ、ノウハウを共有する場
    • 特定の先端ITを取り上げ調査し、試用に基づき評価し、可能性のアセスをし、知見の共有をし、報告書の作成を目指す。

    部会では、特定の先端ITを対象に、参加メンバーが活動期間と目標、そして具体的な活動内容や方法を定める。
    定期的な活動を通して、また、すでに知見を有するメンバーとの交流を通して、参加者は特定の先端ITに関し知識とスキルを深め、ノウハウを共有することが可能となり、加えて、人的ネットワークを培うことができる。
    会員は希望する部会に、いつでも、いくつでも、参加することができる。

  3. AITCオープンラボ
    部会で得た知見を伝播する場
    • 参加者の反応や要望を部会へフィードバックする場
    • 部会に参加出来ない会員への参加機会の提供
    • 広くAITCの活動を告知し、会員内外での認知度向上に寄与
    • 活用推進への足掛かりとして裾野を広げ、知見を社会に還元

    AITCオープンラボでは、部会の活動内容・成果を基に、勉強会や他団体との交流イベントを開催する。 部会に参加されていない会員も部会の活動内容を知ることができ、部会活動で培った知見、ノウハウを得ることが可能になる。 部会側は参加者の反応や要望のフィードバックを受けることで、活動の進化・深化に役立てることができる。 イベントは多様な形態を構想しており、「セミナー」「ハンズオン」「わいがや・オフライン」「会社見学」「他団体との交流」など、取り扱うテーマに合わせた形態でのイベント開催を目指す。
    会員は希望するAITCオープンラボに何度でも参加することができる。

  4. プロジェクト
    部会間/外部団体との連携で研究を行う場
    • 先端ITを使った実証実験、報告書/提言書の作成
    • 実証実験ではシナリオ作成、シナリオ設計、実装を行う
    • 公募による参加者募集

    プロジェクトは、特定の目標(特定テーマによる実証実験、報告書/提言書等の作成)のために、一定期間、複数部会が合同で、あるいは、外部組織・団体と連携し活動する。
    実証実験の目的は、部会活動で得た仮説を検証することであり、外部との連携により、ユーザー視点での取り組み、データの提供、現場の助言等を受けられる利点がある。 先端ITの活用例を提示することで、活用推進の一翼を担い、成果物をもってプロジェクトで得た知見を社会に還元することを目指す。
    会員は公募に応募し、プロジェクトに参加することができる。

  5. 発表会・シンポジウム
    実活動に基づく情報と知見を共有する場
    • 部会の活動や成果、プロジェクトの成果を発表する

    部会やプロジェクトでの活動内容、成果を基に、会員内や外部に対して発表を行う。 AITC単独で開催する場や、他の団体と共催する場、または他の団体が主催する場での発表を通して、知見を社会に還元し、先端IT活用推進の実現を目指す。

活動の期待効果

先端ITの活用推進、知見・ノウハウの社会還元を実現するための要素に対して、活動を通して下記のような直接的、間接的な効果があがると想定する。

活動対象分野

本会では、これからのビジネスや社会基盤を支えるであろう先端ITを取り上げ、新しいIT活用を拓くことを目指し活動している。 ユーザー・インターフェースからデータ/情報、アプリケーション、そしてシステム基盤関連まで幅広い分野における先端ITをカバーしているからこそ、活動への関与の仕方次第で幅広いスキルやノウハウ、情報や知見を得る機会があり、多様な人との交流も可能になることが期待できる。

この視点に立ち、本年度は以下の対象分野別の活動を中核に据える。

【活動対象分野】

  1. クラウド・テクノロジー
  2. コンテキスト・コンピューティング
  3. ビジネスAR
  4. ユーザーエクスペリエンス
  5. ナチュラルユーザーインターフェース(NUI)
  6. (注:ソーシャル・コミュニケーション分野に関しては、部会はじめAITCの活動全体でSNS等の仕組みを設立時より活用)

【活動対象分野の位置付け】

【新規分野への取り組みについて】

活動対象分野以外の先端ITに関しては、次の方法をもって会員からの要望を収集し、活動の立ち上げあるいはセミナー主催し旬の情報提供に努める。

  1. 本会会員なら誰でも、いつでも要望、意見等何でも書き込み可能な会員SNS「わいがや会議室」を新しい活動テーマや旬の情報の発掘にも活用する。
  2. 運営委員会が、適宜、セミナーを企画、開催する。
  3. 会員が提案し所定の手続きを経て活動を立ち上げる。
    会員規約 第40条(勉強会)
    3 勉強会は、会員が提案し、理事会への報告をもって活動を開始する。
    会員規約 第41条(部会)
    3 部会は、会員が部会新設を提案し、理事会の議決を得て、設ける。

体制図

年間主要活動計画

(年次)
2013年10月4日  理事会、第四回総会、総会記念講演、懇親会
2014年10月(予定) 理事会、第五回総会、総会記念講演、懇親会
(月次)
運営委員会、部会リーダー会
部会(月例F2F会議)
Project LA推進会議
AITCオープンラボ
(随時)
SNSコミュニティによる部会やProject LA活動
Webサイト更新作業
セミナー
活動/成果発表会
AITC内あるいは他団体との交流会、情報交換会
取材協力
外部主催の催事に対する協力

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