第10期(2019年度)の活動計画
第10期の重点施策
2010年9月に設立した本会活動も10期目となり、2021年8月の活動終了まで残り2期となる。 このことを念頭に、今期は2年後の活動集大成に向け、この基盤となる活動の一層の充実に努めるため、今期の重点施策を定める。 なお、下記以外にも有効な施策があれば、適宜、実施していく。
1) 新しい技術領域、特に企業がこれからの技術として注目する新しい技術への取り組みを強化
本会では、これまでもIoT、AI、量子コンピューティング、ブロックチェーンなど注目度の高い技術にいち早く取り組み、会の内外から高く評価されてきた。 今期もこの取り組みを堅持し、企業がこれからの技術として特に注目する新しい技術に積極的に取り組み、その中で何が使えるのか、何が残るのか、新しい技術領域を学び、調査・研究・検証するための活動に注力する。 このため、現在の部会が対象としている技術領域に限定せず、AITCでまだ取り組んでいない新しい技術領域にもチャレンジし、会員企業へのスキルとノウハウのフィードバックを一層強化する。
- 企画者と知見を持つ人の連携を密に行い、知見を有する外部講師によるセミナーを開催、知見者との交流を図る
- 勉強会を立ち上げ、参加者が共に学び、助け合いながら疑問を解くことで、その分野のスキル・ノウハウを有する技術者、とりわけ後続の技術者達に技術を広めていけるリーダー的技術者の育成に励む
- 協働プロジェクトに新しい技術を適用し、検証するなど、試験的な取り組みを行い、得られたスキルと知見を会員内外に発信する
2) 情報と知見の発信を更に強化し、先端ITの普及促進で社会貢献
設立以来、先端ITへの取り組みと調査・研究の成果を広く世に公開することにより、先端ITの普及を促進し、社会に寄与することを目指してきた。 特に、この数年に亘る取り組みと情報発信の強化により本会の知名度は格段に向上し、注目度が高まった。 今期も引き続き、有用な情報や知見を発信することで、技術者の裾野を拡大しつつ、実証実験等を通じて先端ITの活用例を提案し、更なる社会貢献を目指す。
- 社会貢献に注力
- 外部組織・団体との連携活動において、本会の有する情報や知見を提供し活動に寄与することで、先端ITの普及促進と社会への貢献に一層努める
- 活動の成果をタイムリーに発信
- 部会に蓄積されたスキル・ノウハウや研究成果を、「AITCオープンラボ」や「成果発表会」で纏めて発信することで、技術者の裾野の拡大を図り、先端IT活用推進の足掛かりとする
- 情報の速やかな公開で、活動を更にオープン化
- セミナーやオープンラボ、成果発表会等の資料を、速やかに、かつ、検索し易い形での公開を徹底し、鮮度良くリアルタイム性の高い情報を外部発信し、先端ITの活用推進に寄与する。資料の公開には、引き続き、外部サービスも併用し、より多くの利用者からフィードバックを受けられるようにする
3) 先端IT人材の活性化・多様化とネットワークの更なる強化
コンソーシアム活動に参加するメリットの一つに、企業の枠を超えた技術と人の交流が挙げられる。 設立当初より、本会では、同じテーマに関心を持つ技術者同士の交流は部会で、更に、部会間の連携活動である協働プロジェクトにおいて単一の部会にはない技術と人材の交流が図れるよう努めてきた。 これに加え、2014年からは新たにAITCオープンラボが、更に2015年からはシニア技術者向け、IT女子向けの活動が加わり、IoTやAIなど、新しい技術領域への取り組みにより会の知名度もUpし、多様な人材が参集するようになった。 今やAITCの魅力の一つとして人的交流が挙げられる程であるが、今期はそれぞれの活動を更に充実させることで、会員内外を問わず多様な先端IT人材間の密なネットワークを確立し、会として、会員として、個人として、更なるパワーアップを目指していく。
- AITCオープンラボを軸に、若手技術者の育成を行う
- 先端ITの活用推進を担う若手技術者に、新しい技術に対する知見の獲得、技術者の保有するスキル・ノウハウの発表、意見交換等による研鑽の場を提供し、若手技術者の成長に寄与することを目指す。
- シニアプログラム(シニア技術者勉強会)で、シニア技術者の活躍を支援、若手技術者との交流の場を提供する
- 長年の経験と技術を持つシニア世代の技術者に活躍の場を提供し、併せて若手技術者との交流を通してシニア技術者の培ってきた知見・経験を若手技術者に伝承する場となることを目指す。
- IT女子プログラム(通称:女子会)を軸に、「人・技術・知見との出会い」でIT女子の活躍を支援する
- より多くのIT女子の参加を得て、先端ITのスキル、ノウハウを習得してもらい、更に活動の企画や運営に関与してもらうことで、後続のIT女子のリーダー役となれるIT女子の育成を目指す。
4) 会期末(2021年8月末日)に向け、AITC活動の集大成となる活動を推進
会期末まで残り2期となったのを機に、社会と産業界における先端ITの活用推進に寄与するにふさわしい活動と成果のあり方を追求し、集大成たる成果物の作成を開始する。
- 部会活動の文書化を強化し、成果発表会やセミナーの発表資料のみならず、活用提案や提言書、ノウハウ集等、参照性の高い資料をまとめ、一般公開を進める
- 協働プロジェクト「空気を読む家」では、新しいシナリオ作りやデモ開発を活性化し、試用・検討報告書、あるいは実証実験報告書等をまとめるための準備を加速する
- 毎年、成果発表会では部会と協働プロジェクトを中心に一年の活動成果を発表する。 今期からはより一層「成果発表会」の名称を意識し、これにふさわしいレベル(理事会認定の成果物相当)の活動成果を発表し、会期末に向けた活動集大成のための蓄積を行う
活動対象分野
本会では、これからのビジネスや社会基盤を支えるであろう先端ITを取り上げ、新しいIT活用を拓くことを目指し活動している。 部会活動を中心に、ユーザーインターフェースからデータ/情報、アプリケーション、そしてシステム基盤関連まで幅広い技術分野をカバーするとともに、注目度の高い新しい技術領域(IoT、セキュリティ、機械学習/深層学習/強化学習、量子コンピューティングなど)に取り組んでいる。 会員はいずれの活動にも好きなだけ参加できるため、活動への関与の仕方次第で、幅広いスキルやノウハウ、情報や知見を得る機会を得て、同時に多様な人との交流も可能になる。
【新しい技術領域への取り組みについて】
第5期(2014年度)はIoT、第6期(2015年度)は機械学習にフォーカスした活動で注目を集め、第7期から第8期においては、引き続きIoTや機械学習・深層学習・強化学習に取り組むとともに、ブロックチェーンやロボットに取り組み、第9期は量子コンピューティングシリーズを開催するなど、先進的な取り組みが大いに注目、評価された。
今期(第10期)は、これから新たに登場するテクノロジーにも注目し、挑戦するとともに、引き続き、IoT、AI、量子コンピューティング等の技術分野に注力していく。
なお、上記以外の新しい技術領域に関しては、次の方法をもって会員からの要望を収集し、活動の立ち上げや旬の情報提供に努める。
- 各種アンケート(会員アンケート、AITC技術セミナー、AITCオープンラボ等)
- AITC会員専用SNS「わいがや会議室」での要望入手やヒアリング
- 運営委員会によるセミナー企画、開催
- 新しい活動の立ち上げ:会員が提案し所定の手続きを経て活動を立ち上げる。
会員規約 第40条(勉強会)
3 勉強会は、会員が提案し、理事会への報告をもって活動を開始する。
会員規約 第41条(部会)
3 部会は、会員が部会新設を提案し、理事会の議決を得て、設ける。
活動の種類と関係性
会員主体の活動とオープンな活動の2系列で構成し、それぞれの特質を活かしながら活動し、適宜、相互に連携することでより密度の濃い活動になることが期待される。 今期における会員主体の活動とオープンな活動それぞれの構成は以下の通りとする。
会員主体の活動
先端ITに明るい技術者を育成し、スキル・ノウハウを会員企業へフィードバックする活動を行う場- セミナー(部会のシーズ)
最新情報を入手する場
内外著名人による講演、交流の場- 部会のシーズとなる先端IT
- 旬の話題、関心の高いトピック
- 製品・サービスの紹介
セミナーでは、部会や勉強会のシーズとなる先端ITを取り上げ、内外著名人による講演を通じて、最新情報を入手する場を提供する。
会員は希望するセミナーに、いつでも、いくつでも参加することできる。 - 勉強会(会員限定)
特定の先端ITを学び、試しに使ってみる場- 部会のシーズとなる先端IT
- 企業が注目している新しい技術領域
勉強会は、特定の先端ITを短期集中(3ヶ月〜6ヶ月程度)で学習する場。
先端ITの動向を見ながら、また、会員の希望に副わせながら、旬のテーマを取り上げていく。
勉強会は目標達成をもって活動を終了するか、部会の活動にするか、勉強会後の活動形態を選べる。
会員は希望する勉強会に、いつでも、いくつでも、参加することができる。 - 部会
スキルを身につけ、ノウハウを共有する場- 特定の先端ITを取り上げ調査し、試用に基づき評価し、可能性のアセスをし、知見の共有をし、報告書の作成を目指す。
部会では、特定の先端ITを対象に、参加メンバーが活動期間、目標、活動の成果、具体的な活動内容や方法を定める。
定期的な活動を通して、また、すでに知見を有するメンバーとの交流を通して、参加者は特定の先端ITに関し知識とスキルを深め、ノウハウを共有することが可能となり、加えて、人的ネットワークを培うことができる。
会員は希望する部会に、いつでも、いくつでも、参加することができる。 - 協働プロジェクト
部会間/外部団体との連携で研究を行う場- 先端ITを使った実証実験、報告書/提言書の作成
- 実証実験ではシナリオ作成、シナリオ設計、実装を行う
協働プロジェクトは、特定の目標(特定テーマによる実証実験、報告書/提言書等の作成)のために、一定期間、複数部会が合同で、あるいは、外部組織・団体と連携し活動する。
実証実験の目的は、部会活動で得た仮説を検証することであり、外部との連携により、ユーザー視点での取り組み、データの提供、現場の助言等を受けられる利点がある。
先端ITの活用例を提示することで、活用推進の一翼を担い、成果物をもって協働プロジェクトで得た知見を社会に還元することを目指す。
会員は協働プロジェクトに参加することができる。 - 成果発表会等
実活動に基づく情報と知見を共有する場- 部会や協働プロジェクトの活動内容や成果を会員内外に発表する
上記の発表会に加えて、他団体との共催あるいは他の団体が主催する場での発表を通して、知見を社会に還元し、先端ITの活用推進を目指す。
オープンな活動
非会員も参加可能な先端ITの普及・啓発、活用推進の場、部会活動で得たノウハウを伝播する場 より自由に、旬の技術領域に挑戦、実践する場- AITCオープンラボ
部会とノウハウを相互に伝播する場- 部会に参加出来ない会員への参加機会の提供
- 会員内外を問わず技術情報・ノウハウを発信し、先端ITの普及・啓発に寄与
- 技術者の裾野を広げ、活用推進への足掛かりとしての知見を社会に還元
AITCオープンラボでは、部会の活動内容・成果を基に、勉強会や他団体との交流イベントを開催する。 部会に参加されていない会員も部会の活動内容を知ることができ、部会活動で培った知見、ノウハウを得ることが可能になる。 部会側はオープンラボの挑戦、実践の結果のノウハウを受けることで、活動の進化・深化に役立てることができる。
イベントは多様な形態を構想しており、「セミナー」「ハンズオン」「わいがや・オフライン」「会社見学」「他団体との交流」など、取り扱うテーマに合わせた形態でのイベント開催を目指す。 - シニアプログラム(通称:シニア技術者勉強会)
シニア技術者と若手技術者が交流する場- シニア技術者に先端ITを学ぶ場を提供する
- シニア技術者の培ってきた知見・経験を若手の技術者に伝承する
- IT女子プログラム(通称:AITC女子会)
「人・技術・知見との出会い」でIT女子の活躍を支援する場- 女性技術者に先端ITを学ぶ場を提供し、活躍の場が広がることを支援する
- オープンな場での活動を通じてAITCを知ってもらい、AITCの活動への女性の参加と活躍を促進する
活動の期待効果
先端ITの活用推進、知見・ノウハウの社会還元を実現するための要素に対して、活動を通して下記のような直接的、間接的な効果を想定する。
体制図
年間主要活動計画
- (年次)
- 2019年10月7日 理事会、第10回総会(1部:成果発表会、2部:総会)、 総会記念講演、懇親会
- 2020年10月(予定) 理事会、第11回総会、総会記念講演、懇親会
- (月次)
- 運営委員会、部会リーダー会
- 協働プロジェクト立案・推進会議
- 部会
- 勉強会(会員限定)
- シニア技術者勉強会
- AITC女子会
- (随時)
- 合同部会
- SNSコミュニティによる部会や協働プロジェクト活動
- 成果発表会
- AITC技術セミナー
- AITCオープンラボ
- Webサイト更新作業
- AITC内あるいは他団体との交流会、情報交換会
- 取材協力
- 外部主催の催事に対する出展、協力