新年のご挨拶

2012年1月1日 先端IT活用推進コンソーシアム会長 鶴保征城

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
2010年に設立した当コンソーシアムは、企業における先端ITの活用および先端ITエキスパート技術者の育成を目指して、順調に活動をスタートする事ができました。これもひとえに関係各位のご支援とご協力の賜であり、厚くお礼を申し上げます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

2011年は、3月11日の東日本大震災、福島第1原発事故をはじめとして、社会、経済、政治などの面でまことに劇的な年になりました。被害は甚大であり、復興もままならない状況ですが、2012年は何としても日本復活のきっかけをつかまなければなりません。

このために、先端ITが重要な技術になることは言うまでもありません。昨年暮れ(12月30日)の日経新聞1面にロバート・コール氏(カリフォルニア大学バークレー校 名誉教授)が、「ITこそモノ作りの中核」というタイトルの論調を寄稿されています。そのなかで、「日本企業ではソフト開発部門や技術者への評価が相対的に低く、IT企業は下請けのように扱われている。特徴的な製品・サービスを生み出し、顧客満足度を高めるソフト開発力を自前で育てて社内に持つべきだ」と述べておられます。まさに、日本のIT産業の問題点を看破されたというべきではないでしょうか。

ところで、大晦日の紅白を楽しまれた方も多いと思いますが、今回はバックの映像が大変斬新で素晴らしいと思いました。おそらく、AITCにおいても研究しているAR(Augmented Reality)などの先端ITがふんだんに使われているのではないでしょうか。また新年の箱根駅伝では、各ランナーの走行位置が地図で確認できる「箱根駅伝速報マップ」が大変見やすく評判になりました。もちろんスマホのGPS機能を利用しているのでしょう。このように先端ITがエンターテインメントなどの第一線で使われ始めていることは、日本の実力を示すものとしてまことに頼もしい限りです。

2012年は、旧弊を果断に断ち切るとともに、すでに芽が出ている新しい課題に本格的にチャレンジしなければなりません。AITC会員諸氏の挑戦に期待したいと思います。