AITCニュースレター
第13号 - 2017年4月「TensorFlow 勉強会」第二期 始動
追加メンバーを迎えて新しい取り組みへ
深層学習の分野は、従来のソフトウェア開発とはまったく異なる考え方、基礎知識に基づくもので、一度や二度の講演を聴講しただけで理解できるものではなく、継続的な勉強を通して身に付けていく必要があります。そこでTensorFlow勉強会はメンバーを固定し、各自が自発的に学びつつ課題を持ち寄って協力しながら解決する「場」を、定期的に設けることを主旨として、昨年6月から月例で勉強会を開催してきました。目標は、メンバー各自が、深層学習分野の技術リーダーとなり、社内外で後続するエンジニアたちにこの先端技術をさらに広めていくこと、そのために必要なノウハウを共有していくこと、です。
今年1月には、5回の勉強会と活動報告会の成果を活用して、オープンラボ「TensorFlowで始めるディープラーニング入門編」を開催しました。3つのテーマ「Playgroundでディープラーニングを勉強しよう」「Jupyterで始めるTensorFlow」「OpenAI GymでTensorFlowを使う」とも、満足度・理解度それぞれが75%以上という評価をいただき、我々の目標に多少とも近づけたものと考えています。
2月からは募集した追加メンバーを加え、互いに教え教わり合いながら深層学習技術を身に付けていく活動を、今後も定期的に継続していきます。
「Playground でディープラーニングを勉強しよう」
資料: http://www.slideshare.net/yuk1yoshida/playground-70941177
「Jupyter で始めるTensorFlow」
資料: http://cloud3.aitc.jp/TensorFlow_TeamA_Report.zip
オープンラボで使用したチュートリアル用のサンプルコードです。
Jupyter Notebook上でご利用ください。
「OpenAI Gym でTensorFlow を使う」
資料: https://dl.dropboxusercontent.com/u/23875749/1213/OpenAIGymTeam_ver0.1.03.pdf
OS 別TensorFlowセットアップノウハウ
「TensorFlow 3分紹介 〜テンソルフローってなにもの?〜 (with 速攻 windows 環境構築)」
資料: http://www.slideshare.net/MichikoArai2/tensorflow-3-with-windows
「30分ではじめるTensorFlow @Docker for Mac」
資料: http://www.slideshare.net/aitc_jp/tensorflow30tensorflow-docker-for-mac-71165321
「Windwos+VirtualBoxで作るTensorFlow環境(Docker使わない人向け)」
資料: http://www.slideshare.net/HirooInamura/windowsvirtualboxtensorflow
「Azureで作るTensorflow環境」
資料: http://www.slideshare.net/aitc_jp/tensorflowazuretensorflow
参加者の声
本勉強会、およびTensorFlowを知るきっかけは、1月に開催されたTensorFlow入門編のオープンラボでした。TensorFlowに興味を持ち、また自分でコードを組んで予測モデルを構築できるようになりたい、との想いがあり、本勉強会に追加メンバーとして参加させて頂くことになりました。本勉強会では、参加者の方々と情報交換をし、お互いに技術と知識を高めていければ、と期待をしています。
初めての参加となった2月の勉強会では、今回からの参加者向けに吉田裕之氏よりニューラルネットワークの概説をしていただき、今後の学習においての足がかりを得ることができました。
TensorFlowはまだ初心者、まずは独学で勉強し、分からない点は参加者の教えを請い、TensorFlowの基礎を理解できればと思います。この勉強会の目標は、ここで学んだスキルやノウハウを他の人に教えられるようになること。頑張ります!
ディープラーニングしたいけどサンプル実行から先に進めず「万里の長城」を攻めあぐねていた頃、AITCで「TensorFlow勉強会はじめます」を聞いて参加。環境の用意さえ躓くことだらけでしたが、様々な環境構築を目標に集まった方達と一緒にトラブルも楽みながら自分ペースで進めてこられました。毎月の勉強会の最後でチームごとの発表を聞くのも楽しみの一つ。例えばPlaygroundはニューラルネットワークの動きを直感的に見せるツール。コーディングしなくても機械が学ぶ様を味わえます。独りではできなかったサンプル実行の先に手が届き、長城の回廊への入口を発見した気分です。
ディープラーニングの弱点は「なぜその結果になったか分からないこと」だと言われています。今はPlaygroundとはまた一味違う可視化ツールに取り組もうとしているところ。数ヶ月後には「だからこんな結果になったんですよ」と解説できるようになりたいです!
可視化ツールPlaygroundと強化学習を用いた"倒立振子"人工知能技術の習得レベルは初学者と経験者でギャップが大きいため会話が成り立たず学習を困難にしていることが多いのです。ですが、この勉強会では自分のレベルにあった難易度のテーマを選ぶので何をすれば良いかわからないということがなく、またテーマごとに経験者がいたのでステップアップしやすい環境だと思いました。私の場合はグループ内に強化学習の経験者がいたので、彼からアドバイスをもらいながらTensorFlowでDQN (Deep Q-Network)を実装することができました。一度できてしまえば一気に理解が進むので、今後は自分が学んだことを共有してギャップを埋める手助けをしつつ、新しいことに挑戦していきたいと思います。
ITフォーラムセッションで空気を読む家を発表
協働プロジェクト『空気を読む家』の最新状況について、2月3日に開催されたソフトウェアジャパン 2016のITフォーラムセッションで発表を行いました。
- 協働プロジェクトの活動概要
- マンガ駆動開発によるデザインプロセス
- 『空気を読む家』におけるIoT技術
- 『空気を読む家』における(ビック)データ解析
- 『空気を読む』ためのコンテキストコンピューティング
- 空間OSの設計コンセプトと先端IT
- 『空気を読む家』が示す先端ITの近未来コンセプト
今回は、『睡眠に影響を与える生活環境要因を探ってみる』をテーマに実施した実証実験について報告しました。
【実証実験の内容】 | |
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被験者 | 部会から募った有志10人 |
期間 | 2016年12月〜1月 |
測定値 | 生活環境データ(気温、気圧、湿度、照度) 活動量計で測定した睡眠状態 アンケートによる感覚的なデータ |
目的 | :生活環境と睡眠との間の関連性を探る |
生活環境データの測定は、ナチュラルユーザーインタフェース活用部会リーダー岡村さんが自作したセンサーモジュールと データロギングアプリが使われました。
また、生活環境データと睡眠状態/アンケートとの関連性を、クラウド・テクノロジー活用部会リーダー荒本さんがR言語を駆使して分析しました。
その他、ユーザーエクスペリエンス技術部会リーダー原さんからマンガ駆動開発による共感しやすい実証実験システムのシナリオ説明や、コンテキストコンピューティング研究部会リーダー道村さんによる社会的/個人的合意形成の新たな仕組みに関する知見の方向、ビジネスAR研究部会サブリーダー中川さんから進化した空間OSの開発状況について報告がありました。
以上にように、AITC各部会の技術を結集して取り組んでいる協働プロジェクト『空気を読む家』の「今」について、理解して頂くことができたと思います。
当日の説明資料は、SlideShareに公開しています。 https://www.slideshare.net/aitc_jp/2017it-forum-aitc1 https://www.slideshare.net/aitc_jp/2017it-forum-aitc2 https://www.slideshare.net/aitc_jp/2017it-forum-aitc3 https://www.slideshare.net/aitc_jp/2017it-forum-aitc4 https://www.slideshare.net/aitc_jp/2017it-forum-aitc5 https://www.slideshare.net/aitc_jp/2017it-forum-aitc6 https://www.slideshare.net/aitc_jp/2017it-forum-aitc7
協働プロジェクト『空気を読む家』は、今後も、進化し続けます。ご期待ください。
いま知っておきたい AITCのできごと
- ブロックチェーン技術への取り組み reboot中
- ブロックチェーン技術を使って、従来の業務の劇的な変革を目的とした実証実験が毎週のようにニュースに取り上げられます。AITCでは、昨年4月20日(水)に「使って知ろうブロックチェーン(入門編)〜 その仕組みと応用 〜」と題したAITC技術セミナー&オープンラボを開催しました。
- その後も、動向をウォッチしつつ、AITCとしてブロックチェーン技術への取り組み方について運営委員会を中心に議論・検討を進めてきました。近々に、内容をご案内させて頂きます。